ちいさいおうち




バージニア・リー・バートン 作 絵
石井 桃子 訳
岩波書店

●お話
むかしむかし、静かな田舎に、きれいなで丈夫な小さい家がありました。小さい家はのどかな田舎で移り行く季節を楽しんでいました。小さい家は遠くの街の明かりを見て「まちにすんだらどんな気持ちがするものだろう」と思いました。ある日、馬の引っ張っていない車(自動車)が現れました。それからトラックだのローラー車だのがやってきて、家のまわりはすっかり都会になってしまいました。どんどん開発が進み、両側に高層ビルが建ち...それでも小さい家はモクモク排気ガスの中そこにありました。壁や屋根は昔のようにちゃんとしているのに、見た目はボロボロ、かわいそう。ある春の朝に「ちいさいおうち」の前を通りかかった女の人が、小さい家を買いました。小さいお家は田舎に移築されよろこびました。
・・・この絵本は1978年4月、近代開発が目覚しいアメリカで発行されました。
●新しい家と古い家
最近どんどんマンションが出来ています。畑だった土地にもどんどん家が建ちます。空地もあまり見なくなったこの頃。ある文章を読みました。日本は家が古くなればなるほど家の価値が下がる。ヨーロッパは何年も住み継がれてきた家こそ価値が上がる。確かに木造建築の寿命は短いかもしれません。でも今の日本の家が100%木造かというと「?」現在の法律上でも不可能です。大切な家に住む、その家を大切に暮らす。私は将来、新しくても古くても、大きくても小さくても、大好きな家に住みたいです。