ネパール帰国後すぐに、月島「しおん」の展覧会と週末ワークショップが続き、今日からいつも時間が戻ってきました。ワークショップはたくさんの方々のご参加に感謝しながら、ネパールの紙と出会えて良かった!と嬉しくなります。会期中の6月22日が祖母の命日でした。今年で5回忌です。私は内孫だったので、両親共働きの家庭の中で祖母、祖父と過ごす時間はとてもたくさんの思い出があります。編集者であり詩人、キャリアウーマンでロマンチストな祖母は孫におばあちゃんの呼ばせず、私たち姉妹は「おっきいママ」と呼んでいました。私は祖母を女性として尊敬していました。そんな「おっきいママ」が残した詩集の中から好きな詩を詠みたいと思います。

私がおばあさんになったら 

私はおばあさんになっても
白髪のおばあさんになっても愛の詩(うた)をうたいたい
ゆたかにおおらかに
そして愛しく美しく

私がおばあさんになったら
あなたもおじいさんになるだろう
白髪の皺深い顔に
眼は童児のようにやさしく
学問への追求は血潮のように深く

あなたがおじいさんになって
私がおばあさんになったら
山のなかの小さな家に住んで
牛や山羊などを飼い
少しばかりの野菜をつくって
好きな勉強をしよう

時には山から山へ旅をして
ひなびた温泉(いでゆ)につかり
親しい友を訪ねたり訪ねられたりして
一献をかわそう

また大きくなった息子や娘が
その愛する伴侶とともに
山の家を訪ねることもあるだろう

ああ私は幾年ぶりかで
山の温泉(いでゆ)につかったせいか
あなたとの永い別れのあいだ
三人の子供によって失われた青春が
浄らなひびきをもってよみがえってくるので
私はこんなことを想って心楽しく
長い未来を旅立とうとする
(1946年5月 終戦翌年)
鈴木初江詩集 「さるすべりが咲くころ」より 2000年3月5日発行

 

私が小学校3年生の頃、山や自然が好きな祖母は長野の蓼科に別荘を買いました。その家にも祖父・祖母と一緒の家族の思い出がたくさんあります。一緒に山の風景をスケッチした思い出がよみがえりました。いつまでも心に...

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