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あしたにむかって -aki's blog-

タグ:ケルト

Lorrha
27th Jun.2012 around Lorrha/ Ireland

「サウィン・フェシュ(ハロウィーン)」は祝い事じゃねえよ…あんたら(アメリカ人)がハロウィーンと呼んどるのは「サウィン」といってな、キリスト教が伝わってくる前に、何百年もの間、異教徒だったアイルランド人の間で祝われとった祭りなんだ。「サウィン」はアイルランド人の四つの大きな宗教的な祭りのひとつで、10月30日の夜から始まって翌日の11月1日まで続く。季節の暦の一年が終わって、次の一年が始まる区切りの日さ。古いアイルランド語(ゲール語)で"夏"って意味の「サラウンド」と"終わり"って意味の「フィン」からきた言葉なんだ。だから「サウィン」ってのは"夏の終わり"ってわけだ。アイルランド語で"冬"はギムリッドというが、「サウィン」は冬の最初の日でもある。ドゥルイド達によると、人間の目に異界が見えて、精霊たちが人間に魔力を振るえる日だそうな…
キリスト教は、大昔のアイルランド人の信仰を完全に押さえつけることはできなかったのよ。キリスト教がはじまった頃には、昔の信仰や迷信や、それどころか儀式までもが、その中に取り入れられていったのさ。「サウィン」も"万霊(オール・ハロウ)の日"や、"万聖(オール・セイント)の日"と名前を変えてな。だから、その"万霊の日"の"前の晩(イブ)"はすべての霊の日の前夜、つまりハロウィーンとなったわけさね。

・・・・この土地(アイルランド)はいたるところに昔話だらけなのね。


「サウィン・フェシュ(ハロウィーン)」
は伝説のひとつだが、真夜中の鐘と同時に妖精の塚がぱくりと口を開けて、どの塚からも超自然のものたちが姿を現すんだそうな。ゴブリン(悪鬼)だのインブ(小悪魔)だのボギーマン(妖精)だの、悪魔だの、亡霊など、そういった連中が人間達に復讐しようと溢れ出してくると言われている。「サウィン・フェシュ(ハロウィーン)」の夜には、土地のものは誰も、家から出ることはせん。子供や若い娘、花嫁がさらわれると伝わってる。



翌日の11月1日は「サウィエン・フェシュ」"冬迎えの祭り"。古代アイルランド人は一年を四節季にわけましたが、とりわけ春の始まりの5月1日祭 ・ 冬の始まりの11月1日祭は、一年の重要な節目とし、超自然界が人間界にもっとも接近する日と考えられていました。多くの伝説・民話がこの2節句と関連づけて語られています。
ゲール語…昔のアイルランド人をケルト人と呼び、彼らが使った言語をゲール語といいますが、長期にわたるイギリスの弾圧において徐々に廃れていった言語です。古い民話や民謡などとして、現在に伝わっています。
ドゥルイド…古代ケルト社会における一種の「智者」。超自然との橋渡しをするものとして儀式を執り行うが、それのみでなく予言者、詩人、裁判官、医師、占い師、政の助言者、教師などを兼ねる智者のこと。
『アイルランド幻想』/ピーター・トレメイン
「冬迎えの祭り」章より


今読んでいる本です。
「ハロウィーン」にちなんだ章があったので興味を持ちました。

欧米暦では、今日はハロウィーンです。アメリカ人の1/4はアイルランドからの移民を祖先に持つ言われています。新しい土地に移り住み、古くからのしきたりや風習がかたちを変えて現在に伝わっているのですね。その昔は、この晩に悪魔と我が子とがすり替えられてしまうという言い伝えもあったそうです。今となっては子供が変装して"いたずら" と" お菓子" を交換するというお祭になりました。

日本では、夏から冬の区切りを祝う風習はありませんが、あえていうならば二十四節気の「立冬」でしょうか。暦の上では、この日から「立春」までが『冬』となります。

日に日に日没が早くなり冬の足音を感じる頃、暖が恋しくなる季節です。






『Celtic』
celtic2

celtic
かつて見たこともないデザイン感覚、ケルト模様です。
沸きたつ興奮が止まず、どんどんケルトに魅了されていきました。



『不思議な顔』
ケルトの人々が残した遺跡には、要所に石を彫った「顔」が配されています。
どことなくアジアの風貌を感じさせるその「顔」に親近感を覚えました。
架空の不思議な動物たちもまぎれています。
casel face
聖パトリックがキリスト教を渡来させる以前のアイルランドは「自然信仰」。キリスト教と融合していく間に、アイルランドには独自の文化が築かれていきました。遺跡として残される教会にもその名残が見られます。しかし、キリスト教が布教されるつれ、ケルト文化は衰退していきました。今でも、ケルト人の痕跡には多くの謎が残されています。

私たちの国「日本」も「仏教」渡来以前は「やおろずの神を信仰」し、
自然物や架空の生き物を信仰の対象にしていました。

西洋の最西の国「アイルランド」、
東洋の最東の国「日本」、
立地的な条件により独自の宗教が育まれたのではないかいう共通点を感じました。

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